坂本龍一 | 音を視る 時を聴く
https://gyazo.com/795b848d3eaa01404fb16c166b57e6bb
https://x.com/testtesttestts5/status/1903009379005370807
めちゃくちゃ悪い展示とまでは言わないが、間違いなく2時間並んで入るほどの物ではない。
これは坂本龍一の知名度が生んだ悲劇だろう。
自分も含め一応行っておくか、という人間が大半だと思う。わかんないけど。
一緒にやっていたMOTアニュアル2024こうふくのしまは規模としては1/3程度だったがこっちの方が豊かな経験ができた。
せめて同じチケットで入れるコレクション展に行った方が良いと思うが、美術館はかなり体力を使うので難しさもあるだろう。
普段美術館に行かない人であれば逆にこういうものなのかと耐えられたりするのだろうか。
とはいえ、これ以上の回顧展が行われるとは思えない。
YMO時代の坂本龍一をみたかった人もたくさんいるんだろうなと思う。
グッズショップが一番楽しいのかもしれない。
せっかくなので作品ごとに整理。
1《TIME TIME》坂本龍一+高谷史郎 2024
良くないタイプの映像インスタレーション。身体を拘束するだけ拘束する映像。
あそこにいる何人の人が面白いと思ったのだろう。
自分が少数派なのであれば残念ながら幸いなのだけど……
冗長な映像のかっこよさはわかるけど、そうであるならばじっくり見るのではなく歩き回り、いつでも見始め見終われるようにあるべき。
実験映像じみてくれていたらもっと見れただろうな。
実験映像って実験の時点でエンタメ性を孕んでいるのかもしれない
実験映像だったら見られるだけで許せるわけではない。
インスタレーションではなく強制映画館
暗い必要もない展示が多かった。
強制映画館というインスタレーションなら面白いと思う
2《water state 1》坂本龍一+高谷史郎 2013
気象情報を基に天井から水滴が落ちて水紋ができる展示
これはかっこいい。水滴の音も心地よく見た目も良かった。
隣のTIME TIMEの音さえ聞こえなければ……
全体的に隣の展示の音が他の作品に干渉している。
音は二の次なのだろうか。
あの長い行列を待つ時に聞こえる人々のつくるノイズの方が楽しかった。
これ坂本龍一要素あったのか?
3《IS YOUR TIME》坂本龍一 with 高谷史郎 2017/2024
震災で被災した高校に残されたピアノを「自然によって調律されたピアノ」として自動演奏するもの。
これもかっこいい。
地震データによって演奏されているそう
プリペアド・ピアノっぽい
4《PHOSPHENES》《ENDO EXO》カールステン・ニコライ 音楽:坂本龍一 2024
映像インスタレーション。っていっていいのかわからない。もはや垂れ流し。
あんな小さい空間でみんなでぎゅうぎゅうになってバカでかいスクリーンを見るのって体験としてかなり良くないと思うんだけど、作家はどう思っているんだろう。
実際めちゃくちゃ斜めから見たから歪みまくってた。
内容は自分の得意じゃない分野なだけな気もするのであんまり言及しないです
5《async–first light》坂本龍一+アピチャッポン・ウィーラセタクン 2017
《Durmiente》アピチャッポン・ウィーラセタクン 2021
おそらくどっちかしか見れていない。これって本当にあの空間で見るべきものだったのだろうか?
内容は上のカールステン・ニコライ作品と印象は変わらない。
片方が終わると追い出される(というか二個やっていると思わなかった)ということは、全部見たい人は二回並ぶのか。
この展覧会はすごくて、当日券で1時間ならび、チケットを購入してから入場までに1時間、そして地下のこの展示に10分並ぶ。
これは坂本龍一の知名度が悪いと思う。YMO時代好きだったから、回顧展には行くしかないみたいな人も何人もいたと思う。グッズが昔の物ばかりな時点で、ある意味騙して人を呼んでいるとまで言えるんじゃないかと思う。
6《async–immersion tokyo》坂本龍一+高谷史郎 2024
特に音楽とシンクロしているわけでもない、ただのSmear。20世紀の作品であれば驚けた。
7《async–volume》坂本龍一+Zakkubalan 2017
Zakkubalanとの《async–volume》(2017)では、坂本が多くの時間を過ご
したニューヨークのスタジオやリビング、庭などの断片的な映像が環境音
と楽曲をミックスしたサウンドとともに構成されている。24台のiPhone/
iPadが「小さな光る窓」となり、坂本の内面を覗き込むような、胎内にいる
ような感覚に囚われる。
iPhone/ iPadである理由って何だったんだろう。
なぜそう思うのかというと、空間をかなり暗くしていてデバイスを透明化させようという意図を感じたから。
iPhone/ iPadを隠したいなら言わなければいいのに、わざわざ言及するのはなんなんだろう。
当時のデバイスだからか、暗くしていても側面が結構反射で銀色に光っていた。
元も子もないことを言うと環境音だけの方がかっこよかったかもしれない。
坂本龍一は環境音を信用していない気がする。
8《LIFE–fluid, invisible, inaudible...》坂本龍一+高谷史郎 2007
目玉展示の一つで、確かにかっこよかったのだが、あの東京現代美術館の一番大きい部屋でやるのがこのこじんまりさか、という気持ちにはなった。
これはトリビュート展だから仕方なくないか??
かっこよかったしいいだろ。
リメイクするのも変だろ。
申し訳ないです。これはかっこよかったです。
説明に「脱構築」という言葉使われているが、うかつな気がする。
詳しくはないけど、スクラップ&ビルドみたいな使い方をしているようにしか見えない。
坂本のオペラ 『LIFE』(1999)を脱構築して制作した、映像と音によるインスタレーション 作品であり、霧の発生する9つの水槽に映像が投影される。
9 坂本龍一 アーカイブ 監修:松井茂 2024
アーカイブ
ここでなんとなく思っていたことが確信に変わるのだが、坂本龍一の偉大な仕事は20世紀で終わっていたのではないか?
面白いインタビュー記事も大昔の物ばかり。
10《LIFE–WELL TOKYO》霧の彫刻 #47662 スペシャル・コラボレーション 坂本龍一+中谷芙二子+高谷史郎 2024
霧の彫刻みれたのは本当に良かったです。
坂本龍一+高谷史郎要素はあんまり分からなかった。音は鳴ってたけどそれが効果的だったかというと……
11《Music Plays Images X Images Play Music》アーカイブ特別展示 坂本龍一×岩井俊雄 1996–1997/2024
ファンサ
12《センシング・ストリームズ 2024―不可視、不可聴(MOT version)》坂本龍一+真鍋大度 2024
坂本龍一トリビュート展 音楽/アート/メディアで体験したものをぎゅっと小さくして、インタラクティブ性をなくし、外に出したもの。外にLEDがあるのはカッコいいですよね。
正直なところ、坂本龍一は美術も音楽もそんなに好きじゃないんじゃないかと思ってしまった。
使命感みたいなものは感じるんだけど……
2024年12月21日(土)- 2025年3月30日(日)
東京都現代美術館